うちの姉貴は病弱である。どのくらい病弱かというと、同じ病気で二年連続二度入院するくらいだ。これが甲子園の出場であるならば名誉なことだが、病気で入院となると不名誉でしかない。
病気だから仕方がないと思う方がいるかもしれない。勿論、仕方がないことではある。だが、入院するタイミングが、二年連続、二度とも自分が長期休暇中なのがいただけない。
奴には子供が二人いる。どっちも男の子で、どっちも小学校低学年だ。主婦入院=子供の世話、家事をする人間がいなくなる。旦那がやればいいじゃないかとの意見もあるだろう。だが、旦那はやたらと忙しい。そこで、白羽の矢が立つのが、この私になるわけだ。
姉貴には色々と借りがあるので、断るわけにもいかない。よって、自分が姉貴の家に住み込み主夫になるのだ。
自分は結構、料理や家事が好きなので主夫生活は苦にならないのだが、一つ辛いのが、微妙に神経が細かい性格なので、慣れない場所だと微妙に神経過敏になってしまうのだ。
ちょっとした物音で目が覚めてしまったり、お風呂に入っていても何処か落ち着かない。一番キツイのは、子供達が部屋を豪快に散らかすことだ。微妙に潔癖症気味な自分としては、その部屋の散らかり様が許せなかったりするのだ。
「力の弱い者には強気で攻める!!」が信条の自分としては、恐怖政治で坊主達を黙らせることにするのだ。
外から帰ってきて、汚れた服を脱ぎっぱなしにして、ゲームを始めようとするBOY達に「脱いだ物は洗濯かごに入れて~」と言うが、パキモン(ポケモンのこと、外人の発音を聞いてから、自分はこう呼ぶことにしている)に夢中で生返事。
自分も鬼ではないので、3度までは普通に注意する。だが、3度目までに片付けなければ、恐怖政治の発動である。
ニコニコと満面の笑みを浮かべる少年達から、有無をいわさず、パキモンとDSを取り上げ、ゴミ箱へダンクシュート!!
その様は、マイケル・ジョーダンのダンクよりも流麗で、シャキール・オニールのダンクよりもパワフルだ。
半ベソになりながら「途中でセーブしてない」とか戯言をほざくBOY達を尻目に、自分は鼻歌交じりで夕飯の支度を開始する。実に快感である!!
おもちゃ箱からゴミ箱へと完全移籍したパキモンやDSを、子供達が勝手にゴミ箱から拾うことは許されず、お手伝いをして始めて回収可能になる。
一回お手伝いするごとに、ゴミ箱入りした物をどれか一つ指名できる制度だ。
こうやってNo pain,no gain魂を奴らに植え付けるのだ。
このOperation "No pain,no gain"の結果、玄関の靴はしっかりと並べ、宿題も早めに済ませ、ゴミ捨ても手伝うようになった。ゲームをやる前に「ゲームやってもいいですか?」と許可を取りに来るようにもなった。
【犬と子供の躾はドイツ人にさせろ 】なんて格言があるが、もしかしたら、自分はドイツ人かもしれない。